2010年12月28日火曜日
電気自動車等について
最近、電気自動車を大学で開発することについて、いかがなものか等のご意見を頂くことが多くなりました。
すなわち、本当に環境に優しいのか、という指摘です。
この件について、明確に表記しておきますが、私個人は、電気自動車は環境に良いとは全く考えておりません。
これはライフサイクルアセスメントの考え方から示すことも出来ます。
ですが、単純に考えて、石油等のエネルギー資源を精製してそのまま燃料として使用することと、精製したエネルギー資源を燃焼させて熱エネルギーを動力に変換し、それらを電力に変換し、長距離を輸送してさらに充電器で貯蓄して、それらをさらに動力に変換する電気自動車におけるエネルギー効率の悪さはエンジンを搭載した普通の自動車に比べても、火を見るより明らかです。
ですが、私の研究室では電気自動車についての研究をしています。
理由は、ただ一つ。
「社会で求められているから」です。
今後10年は、電気自動車が技術的な話題となるでしょう。
学生達が、そういった最先端の研究に携わることにより、研究に対するモチベーション維持はもちろんのこと、社会に出て即戦力となる技術も身につけることができ、厳しい就職難の時代にでも、少しでも社会に対する”牙”を持っておいて欲しい、との願いから、あえて電気自動車についての研究に携わらせています。
もちろん、環境に対する「贖罪」にも同時に取り組んでいます。
また、電気自動車は、今の自動車の代替で考えるから環境に悪いのであって、新しい視点から見た場合、人の生活を助ける可能性を秘めています。
そういった視野も含めて、研究に取り組んでいます。
しかし何より、時代の要求は、宇宙の流れの一部であり、そういった流れは神様は予測済みで、地球も人間の目先の必死な社会活動くらい、受け止めて許容してくれる、と私自身が信じていることも大きいです。
私は環境についてもヨーロッパまで行って本気で勉強したこともありますし、自分の新しいものづくりに対する疑問を感じたことも多々ありました。
(ものを新しく生み出すことはエネルギーを消費することに他なりません。人間の社会的活動の否定となります。)
しかし、今、改めて感じることは、神様が用意してくれた、縁あって目の前に出てきた課題を、それぞれのできる範囲で、必死に懸命に取り組むこと、が最も重要なことだと考えています。
学生にとって、社会的に話題性があり、楽しんで没頭できることであれば、電気自動車だろうがLEDだろうが、喜んで取り組みます。
学生も喜びますし、それらの技術を求める企業の方々も喜びます。
そうやって、懸命に取り組んで、喜びを分かち合う、プラスの波動の一つ一つが、地球の未来を破壊するとは、とても考えられないのです。
私たちパワーエレクトロニクス研究室は、時代の要求に応え、自ら喜び、神様が今の時代に用意してくれた知の海の中を泳ぎながら、新しい時代の可能性を探るため、今後も活動を続けていきます。
来年もどうかよろしくお願い申し上げます。
皆様、どうか良いお年をお迎え下さい。
山本 真義
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2010年12月27日月曜日
技術シーズ育成支援事業採択決定
秋に応募していた、しまね産業振興財団による平成22年度技術シーズ育成支援事業に採択が決定致しました。
(まだサイトにはアップされていません)
研究件名は「スイッチング電源用超低ノイズフェライトコアの金型設計」です。
本助成を受けて、島根県内における古くからの金型技術とパワーエレクトロニクス技術の融合を図り、地域への技術還元を果たしていこうと考えています。。
この助成により、今年度の私の研究室における外部資金は700万円を超えました。
これにて、今年度の目標到達、です。
来年度は、私の担当学生の人数も増える(20名以上!)ので、外部資金1000万円を目標にして頑張ります。
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2010年12月23日木曜日
子どもミュージアム(2)
前回の続き。
今回の子どもミュージアムでは、もう一つのイベントがオプションで付いていました。
「電気自動車の試乗会」
この電気自動車のリチウムイオンバッテリーを、前の日に研究室で充電して電気自動車に搭載することになっていたのですが、電気自動車の生みの親である修士1年の渡邊君が就職活動で不在だったこともあり、他の学生の配線ミスで、バッテリーがこんなことに。
2mの火柱が立ったそうです。
バッテリーの+側と−側を短絡させてしまったみたいです。
怪我がなくて、何よりです。
が、このままでは試乗会に間に合いません。
このとき、前日の午後10時前。
せめて展示だけでも、と、研究室に残った4年生は、1キロくらいの道のりを、夜中に電気自動車の駐車場から押して大学まで運んできたそうです。
(普段の保管場所は大学から離れた場所にあります)
そして、試乗会当日に渡邊君が島根に戻り、異様な早さで復旧作業。
間に合いました。
皆さん、本当にお疲れ様でした。
試乗会の動画は下。
子ども達だけでなく、お父さん、お母さんも喜んでくれていました。
子どもミュージアムの様子は、島根大学のトップページにも掲載されています。
掲載記事のページ
渡邊君は、子ども達のために、電気自動車に関するクイズを色々と絵を印刷して用意してくれていました。
夏から、2台の電気自動車を作り、車検獲得までの様々な専門的な書類を作成し、もの凄い納期に押しつぶされそうになりながら、次々に降ってくるトラブルを解決してきています。
そんな経験に慣れてしまって、今では普通の企業を目指そうと思っても、なかなか刺激を受けないそうです。
もう、カタギの仕事はできませんね♪
将来が楽しみです。
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2010年12月19日日曜日
子どもミュージアム(1)
12月18日は島根大学ミュージアムから、近隣の親子向けに科学に触れさせるイベントを依頼されていました。
題目は「LEDでクリスマスイルミネーションを点滅させよう!」。
実は、私は春から続いた余りの激務に体調を崩しておりまして、今回は指示だけして準備は4年生を中心とした学生が、全てやってくれました。
このパワエレ研の学生のみによる運営をご覧下さい。
入口。
前のホワイトボード。
前に出て最初に回路説明を行う、学部4年の河野君。
皆で作ったLEDランプ(1人2個を交互に点滅)を、彼の前に置いてあるクリスマスツリーに取り付けて、皆で光らせます。
全体はこんな感じで、就職活動中の修士1年の皆さんも全員、対応してくれました。
それぞれの親子に担当学生が配置され、丁寧に対応していました。
皆が頑張って対応してくれて、できたクリスマスツリーが、コレ。
(横になっていてすみません)
それぞれが作ったLEDチカチカランプは、クリスマスプレゼントで皆に持って帰ってもらいました。
小学生の子ども達でも作りやすい様に、基板を加工したり、ある程度作っておいたり、部品を購入したりと、本当にお疲れ様でした。
しかし!
準備が大変だったのは、このLEDシリーズだけではありませんでした。
もう一つの彼らが乗り越えたイベントを次回は紹介します。
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2010年12月8日水曜日
三刀屋高校出張講義
2010年12月7日火曜日
電気学会調査専門委員会パワエレ研見学会
2010年12月4日土曜日
現代自動車とMANDO社との研究交流会(2)
今後の電気自動車の普及により、大きな市場拡大を見込めるものとして、充電器があります。
これまでの自動車には無い部品であり、パワーエレクトロニクス技術が集積されています。
現代自動車とMANDOは、その見学に来られた、というのが実情。
まずは、回路等の説明。
その後、実際の充電器を見学します。
リチウムイオンバッテリーの手前のファンが付いた部品が、新しく開発した充電器。
私の研究室で研究していた回路も入っています。
この大きさで最大出力3kW、総合効率は93%を超えています。
充電器というのは普通、コンセントからくる交流を高い電圧に変換する整流器と、その高い電圧をバッテリー用の低い電圧に変換するDC-DCコンバータの2つから構成されています。
この2つが直列に接続されていることから、それぞれの変換器が例えば95%もの高効率であったとしても、総合効率は
95% × 95% = 90.25%
で、やっと90%を少し超える程度となります。
だから、この新しい充電器がどれだけ高い効率を発生しているかがお分かりになるはずです。
島根大学パワエレ研究室では、今後はこの充電器についても、さらなる性能アップへ向けて研究を進めていきます。
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2010年12月1日水曜日
現代自動車とMANDO社との研究交流会(1)
12月1日(水)に韓国の現代自動車とMANDO社が、島根大学パワエレ研が作った電気自動車を見学に来られました。
電気自動車作成に関してサポート頂いた株式会社イオス様のご協力で、今回の交流会が実現しました。
関東方面の某所にて、見学会を開催。
試乗会も同時に開催。
関東に居るのに、島根ナンバーです。(笑)
イオス様のご厚意により、「島根大学」の名前も入れて頂いております。
この車は新宿三丁目駅付近をウロウロしているハズです。
公道を疾走する、電気自動車。
電気自動車作成の中心となった修士1年生の渡邊君は、関東へお嫁に出した元気な電気自動車を見て、感無量の様子でした。
次回は、具体的な研究交流会の中身を出せるところだけ紹介します。
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